クダキツネ(読み)くだきつね

世界大百科事典(旧版)内のクダキツネの言及

【キツネ(狐)】より

…近畿地方の一部に残る狐施行,あるいは狐狩りと呼ばれる,初冬にキツネの好む油揚げなどをやぶ陰などにまき歩く行事も,この狐神を饗応したなごりとも考えられている。後代にキツネを邪悪とする思想が広まると,このような霊狐を神使い,または村を守るキツネとし,人をだまし,または人にとりつくキツネはヤコ,あるいは人狐とかクダキツネなどと呼びわけ,後者は人の目につかない小型のものという考えも生まれた。これを広めたのは室町期から始まった飯綱(いづな)使いといわれる呪術者の一派ではないかと思われる。…

【狐憑き】より

…キツネの霊が人間の体に乗り移ったとする信仰。現在でも広く各地で信じられている。憑かれるのは女性が多い。憑かれるとキツネのような行動をして,あらぬことを口走ったりするのが,狐憑きの典型的な症状であるが,体などに原因不明の異常が生じた時,そのような症状を呈さなくても,祈禱師によって,キツネが憑いているからだとされる場合もある。キツネに憑かれたままにすると,内臓を食いちぎられて,病気の末に死んでしまうとされ,祈禱師などを招いて祈禱したり,憑かれた者をいじめたり,松葉でいぶしたりして祓い落とす。…

【憑物】より

…憑物とは,文字どおりに解すれば,人間その他の事物に憑依(ひようい)する〈もの〉,つまり霊のことである。このような意味にそって憑物をめぐる信仰を理解するならば,一方に事物に憑く可能性をもったさまざまな霊たちの群,他方にはそうした霊に憑かれる人間を含むさまざまな事物の群,そして特定の霊が特定の事物に憑いた状態,つまり憑霊現象の群が想定される。したがって,これら三つの群の複雑な関係とそれを支える諸観念の統合化された総体を,憑物信仰ないしは憑霊信仰と呼ぶのが妥当であるが,憑物研究を進めてきた民俗学や文化人類学の研究はまだその段階にまで達していない。…

※「クダキツネ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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