世界大百科事典(旧版)内のクトゥンビンの言及
【家】より
…それは家族を表すが,家のための債務という場合,つねにこの語が用いられるように,家族財産を背後に含む用例が多い。家長を意味するクトゥンビンkuṭumbinはグプタ時代以後には農民をさすようになった。ヒンディー語ではパリバールparivārが家族を表すふつうのことばであるが,それはサンスクリットでは従者,使用人を意味し,家族の用例はない。…
【グプタ朝】より
…だが帝国の衰退と同時に,前6・前5世紀以来栄えてきた都市は衰微し,商人たちもギルドも変質した。村落では,クトゥンビンkuṭumbin(家長の意)と呼ばれた土地所有階級が中核となり,職人や雇農も多かった。最下層には奴隷がおり,またチャンダーラと呼ばれた賤民は社会生活や職業のうえでも厳しい差別を受けた。…
【地主】より
…しかし,王と直接耕作者との間にはいまだ地主や領主などの中間階層は存在しなかった。グプタ朝時代には土地の私有化がいっそう進み,クトゥンビンと呼ばれる階層を中心に村落の土地は個々に私有された。また,王領地の寄進を受けたバラモン,寺院などが地主化する傾向も現れた。…
※「クトゥンビン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」