クリーネ,S.C.(読み)くりーね

世界大百科事典(旧版)内のクリーネ,S.C.の言及

【計算可能性】より

…そのため,計算可能な関数は,メモリーがいくらでもある(理想化された)コンピューターで計算できる関数と一致する。
[歴史]
 計算可能性の概念は,計算とは何かという問いに答えようとする試みを通じて,1930年代にゲーデルチューリング,チャーチAlonzo Church(1903-95),クリーネStephen C.Kleene(1909-94)等の有力な論理学者のさまざまの提案を集大成し得られたものである。ゲーデル,クリーネは,いくつかの基礎的な自然数上の関数をもとに新しい関数を順次組織的に定義する枠組みを与えて帰納的関数の概念を定式化した。…

【数学基礎論】より

…しかし,連続体問題そのもの,すなわち,連続体の濃度は真にいかなるアレフ数であるか,は今日なお未解決であって,マルティンD.Martinの公理の提唱など,より真実を反映する公理の模索や種々の巨大濃度なる概念の研究などZFCの補強に主たる関心がはらわれている。
[リカージョン・セオリー]
 帰納的関数の理論は有限的手法やアルゴリズムについての数学的研究に端を発したもので,エルブランJ.Herbrandの提唱に基づき,ゲーデル,クリーネS.C.Kleeneによって帰納的関数の定義が確立した(1936)。アルゴリズムや実際に計算可能といった概念についてのまったく異なった様式によるいくつかの数学的定義が同時期に提出されたが,それらはいずれも同等な概念であることが証明されたことなど種々の理由によって,〈その値を計算するアルゴリズムを有する関数とは帰納的関数のことであると解しよう〉というチャーチの提唱Church’s thesisとなった。…

【直観主義】より

…みずから規定した立場に基づいてブローエルが進めた解析学は通常のものとかなり異なった様相をもっており,形式主義の立場に立つD.ヒルベルトと激しく対立した。その後,ハイティングArend Heytingらによる直観主義者の用いる論理の公理化(直観主義論理),K.ゲーデルによる解釈,クリーネStephen Cole Kleeneによる帰納的関数を用いての解釈などにより直観主義の立場はかなり明白なものとなり,今日,直観主義数学ないし構成的数学として発展している。また,証明論においてヒルベルトのいう有限的・構成的手法とは実は直観主義者的手法といっても過言ではないことがわかってきた。…

※「クリーネ,S.C.」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

お手玉

世界各地で古くから行われている遊戯の一つ。日本では,小豆,米,じゅず玉などを小袋に詰め,5~7個の袋を組として,これらを連続して空中に投げ上げ,落さないように両手または片手で取りさばき,投げ玉の数や継...

お手玉の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android