シャーローム(読み)しゃーろーむ

世界大百科事典(旧版)内のシャーロームの言及

【終末論】より

…生の希望が死を圧倒し,ニヒリズムに発生の余地を与えなかった。ヘブライ語の〈シャーロームšālôm〉はふつう〈平和〉と訳されているが,これは社会と人間における精神と物質全体にみなぎりあふれる力であって,両者を分離したり二元化したりすることはない。また神の〈義〉は第1には審判ではなくて,秩序をつくり保持する力であった。…

【平和】より

…だがその場合注意すべきことは,平和は文化と時代によってのみか,文化の中心と周辺によってもその意味を変えるということである。それぞれの文化で平和を意味する概念を比較研究し,重点の違いによる意味の異同を整理した石田雄によれば,古代ユダヤ教のシャーロームšālômにおける正義への積極的な志向,ギリシアのエイレネeirēnēやローマのパクスpaxにおける秩序の強調,中国・日本の和平,平和および古代インドのシャーンティśāntiにおける心的状態の重視が,それぞれ平和の重要な構成契機となっている。
[西洋と東洋における平和観の相違]
 確かにどの文化にも平和の意味には正義,豊穣,秩序,静穏,平安のイメージが多少とも共有されている。…

※「シャーローム」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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