シュルツ,H.(読み)しゅるつ

世界大百科事典(旧版)内のシュルツ,H.の言及

【貨幣】より

…つまり貨幣は支払手段として生まれるという説に接合されることが多い。この説はドイツの民族学者シュルツHeinrich Schurtzによって系統的に主唱された。ついでに付言すれば,シュルツは共同体の内部では財の交換は生ぜず,さまざまの支払関係が起こるだけで,この支払をなす手段として装飾品が使われるとし,これを対内貨幣Binnengeldと名づける。…

【男子結社】より

…また男子結社のなかには,男子集会所と呼ばれる特殊な舎屋をもっているものがあり,結社員はすべてこの舎屋に寝起きし,会合や作業をする。ドイツの民族学者シュルツHeinrich Schultzの《年齢階梯制と男子結社》(1902)によれば,こうした男子舎屋はその機能や性格の発展として,役場や裁判所,首長の住居,クラブ会館,警防屯所,寺院などに転化することがあり,また,この種の舎屋が未婚男女の公的恋愛の場であったところでは,一種の娼家に転化することもあるという。舎屋が宗教的性格を帯びている場合には,ここで加入儀礼や秘儀が行われ,仮面やブル・ロアラー(振り回すと,牛のうなり声に似た音を出す祭具・楽器)のような宗教的聖具や祖先像,人間や動物の頭蓋骨などが保管されている。…

【年齢集団】より

…社会結合の契機には血縁や地縁のほかに,基本的なものとして〈性と年齢〉があるが,部族社会ではしばしば,これが血縁や地縁をたち切って強固な年齢集団が形成される。民族学者シュルツHeinrich Schurtzが《年齢階梯制と男子結社》(1902)を著してこのことを大きくとりあげたが,彼は思春期における男子の女性および家族・親族からの隔離が,部族的成年式(割礼を伴うことが多い)で強調されることに注目した。反面,女子では初潮の時期が一様ではないので,成女式は男子のように部族的規模で一定時期に行われず,また妊娠・出産・育児のため家族・親族や近隣などのせまい血縁・地縁に拘束されて,年齢集団ができにくいとした。…

※「シュルツ,H.」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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