セリー・アンテグラル(読み)せりーあんてぐらる

世界大百科事典(旧版)内のセリー・アンテグラルの言及

【ブーレーズ】より

…1946年,《フルートとピアノのためのソナチネ》《ピアノ・ソナタ第1番》《婚礼の顔》を発表し,新鋭作曲家として注目を集めると同時に,J.L.バロー劇団の音楽監督として指揮活動も開始した。以後作曲家としては,セリー・アンテグラル,さらに,偶然性を批判的に取り入れた〈管理された偶然性〉の,精緻をきわめた数理的な作曲技法によって,《ル・マルトー・サン・メートルLe marteau sans maître(主なき槌)》(1954)や《プリ・スロン・プリPli selon Pli――マラルメの肖像》(1960)などの傑作を書きあげ,指揮者としては,BBC交響楽団,ニューヨーク・フィルハーモニー管弦楽団など世界の超一流のオーケストラの常任指揮者を務めた。1975年にIRCAM(音楽・音響の探求と調整の研究所)を創設し,所長に就任して,現代音楽の新しい可能性を追求している。…

【ミュジック・セリエル】より

…1950年代に,第2次世界大戦後の前衛音楽の一技法として盛んに用いられた作曲技法。〈全面的セリー音楽〉(セリー・アンテグラルsérie intégral(フランス語),total serialism,total organized music)とも呼ばれ,また,この技法で書かれた音楽は〈点描音楽〉〈ポスト・ウェーベルン・スタイル〉とも呼ばれる。1個の音はそれ自身,音高(音の高さ),音価(長さ),音色,音強(強さ)の四つの構成要素から成る。…

【メシアン】より

…第1,4曲は1950)を作曲,音高,音価,強度,音色の四つの要素にセリーの原理を適用する方法を提唱した。その〈セリー・アンテグラル(全面的セリー)〉の作曲法は,メシアン自身が講師を務めた音楽祭〈ダルムシュタット国際現代音楽夏期講習〉を通して広まり,欧米や日本の新しい世代の作曲家たちに大きな影響を与えた(ミュジック・セリエル)。メシアンは鳥類学に興味をもち,世界各地の鳥の歌を採譜し,その鳥の歌を素材にして多くの作品を作曲しているが,管弦楽曲《鳥の目ざめRéveil des oiseaux》(1953),同《異国の鳥たちOiseaux exotiques》(1956),ピアノ曲《鳥類譜Catalogue d’oiseaux》(1958)はその典型的な作品である。…

※「セリー・アンテグラル」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」