ゼーマン,K.(読み)ぜーまん

世界大百科事典(旧版)内のゼーマン,K.の言及

【アニメーション映画】より

… 〈ヨーロッパの人形芝居のゆりかご〉といわれるチェコでは,みずから人形劇団を主宰していたJ.トルンカが,1945年,国立映画アニメ・スタジオ(プラハ)の主任となって独自の人形アニメの世界を築き上げ,長編《皇帝のナイチンゲール》(1948),《バヤヤ王子》(1950),《真夏の夜の夢》(1959)や《二等兵シュベイク》シリーズ(1951‐55),中編《天使ガブリエルと鵞鳥夫人》(1965)などで,人形映画のアニメートの壁を破ったみごとなテクニックを開拓して,〈第四次元の映画世界〉〈第8芸術〉(ジョルジュ・サドゥール)とまで呼ばれ,彼の下からは,チェコ人形劇の代表的キャラクターであるシュペイブルとフルビーネックをアニメ化した《探偵シュペイブル氏》(1956),《フルビーネックの夢》(1955)の演出を担当したブシェティスラフ・ポヤールが育った(ポヤールは59年に一本立ちし,《猫の話》(1960)などで〈切紙アニメ〉にも手を染めた)。首都プラハの国立映画アニメ・スタジオを本拠地としたトルンカ,ポヤールらに対し,モラビアのゴットワルドフ(現,ズリーン)に設立された国立人形映画スタジオを拠点とするカレル・ゼーマンと女流作家ヘルミナ・ティルロバは,実写の人間と人形を〈共演〉させる作品に独自のスタイルを築いた。ティルロバは人形がベビーベッドの赤ちゃんのまわりで,ほほえましいいたずらを重ねる短編《子守歌》(1947),ハンカチが持主の少年のあとをついていく《ハンカチの冒険》(1958)などで知られている。…

【チェコスロバキア映画】より

…そして,47年,カレル・ステクリーKarel Steklý監督の《シレーナ》がベネチア映画祭でグラン・プリに輝き,人形アニメーションの巨匠イルジ・トルンカの《チェコの一年》が国際的な評価を得たときから,戦後のチェコスロバキア映画が始まる。後者の流れはさらに実写とグラフィックなアニメーションを合体させたカレル・ゼーマン(1910‐ )の《悪魔の発明》(1958),《狂気の年代記》(1964)などに受け継がれ,発展していく。50年代にはFAMU出身の映画監督が一線に出てくる。…

※「ゼーマン,K.」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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