世界大百科事典(旧版)内のソンダース,C.の言及
【ホスピス】より
…ホスピス運動には,中世の行路病者や悪性疾患の末期患者で身寄りのない者などを受け入れたオテル・ディユの伝統を継いだカトリック系のものと,1967年にロンドンに設立された〈セント・クリストファー・ホスピス〉に代表されるプロテスタント系のものとの二つの流れがある。今日では,これらのうちソンダースCicely Saundersの創設による〈セント・クリストファー・ホスピス〉の思想と実践が,世界のホスピス運動に強い影響を与えている。 具体的なホスピス・ケアは,痛みの緩和に代表される身体的苦痛への対処,死への不安に代表される精神的苦痛への対処,残される者,とりわけ配偶者への対処が中心的内容をなしている。…
【臨終】より
…死を迎える直前の時期をいう。この危機的な時期をめぐって,死の受入れと死のみとりに関するさまざまな慣習と文化が生みだされた。死を迎えることの意味を説いた古い文献としては,エジプトやチベットで作られた〈死者の書〉が知られているが,それはかならずしも臨終時の問題に焦点を合わせたものではない。これに対して西欧では,中世末に〈アルス・モリエンディ(往生術)〉として知られる文献が書かれ,臨終を迎える者のための心得が説かれた。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」