トトラ(読み)ととら

世界大百科事典(旧版)内のトトラの言及

【アイマラ】より

…ジャガイモ,トウモロコシ,キノアなどを栽培する農民が多いが,リャマ(ラマ),アルパカ,羊を飼育する牧民や,鉱山労働や商業に従事する者も少なくない。チチカカ湖には,トトラという植物で作られた浮島の上で,トトラの家に住み,トトラ舟を操って,主として漁労に従事してきた特殊な人びともいる。アイマラの生活習慣や社会制度は,ケチュアとの共通点が多い。…

【ウル】より

…ただし,チチカカ湖畔で浮島をつくって湖上生活をしている数百人のグループは,今なお伝統的な生業形態を残している。彼らは,チチカカ湖畔の浅瀬に自生しているトトラと呼ぶカヤツリグサ科の植物で,浮島,家,舟,籠などさまざまなものをつくり,この舟で魚や水鳥,その卵などをとって狩猟漁労を中心とした生活をおくっている。これらをアイマラ族の市などで売って農産物を手に入れている。…

【チチカカ[湖]】より

…湖の周囲の人々は,インカ帝国時代の公用語であったケチュア語とは異なるアイマラ語を話している。遠浅の水辺にはトトラScirpus totoraという草が生えており,住民はこれで舟を作ったり,人が住むための島を作ったりしている。またトルッチャ(マス)も漁業の対象となっている。…

【フトイ(太藺∥莞)】より

…スリランカやインドネシアでは,オニフトイS.grossus (L.f.) Pallaの太く三稜形をしている茎を干して扁平とし,それと,赤や黄色等に美しく染色をしたものとを混ぜて民芸調の敷物を作っている。独特の利用法としては,南アメリカのアンデス山地標高3000~4000mのチチカカ湖周辺で,原住民のシマラ族はそこに生えるフトイの1種のトトラS.californicus Palla ssp.totora (Kunth) T.Koyamaの茎を多数束ねてカヌー式のボートを作ったり,彼らの住居の屋根や壁にしたりするほか,根茎も食用にしている。インカ帝国でもこの根茎が食用とされていたことが最近明らかにされた。…

※「トトラ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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