ドーポラボーロ(読み)どーぽらぼーろ

世界大百科事典(旧版)内のドーポラボーロの言及

【イタリア】より

…ファシズムの時代を通じてムッソリーニが首相の座を独占していたが,ファシズムの内部には,サンディカリスト・ファシズム,ナショナリスト・ファシズム,テクノクラート・ファシズム,農村ファシズム,保守的ファシズムなどいくつかの潮流があって,互いに対抗しあいながらファシズム体制が築かれていった。ファシズムの支配は労働余暇組織(ドーポラボーロ)など新しい文化制度をつくって大衆の同意をとりつける一方,批判者の存在を許さない厳格な抑圧的機構をつくりあげた。そのもとで社会と経済の官僚的な統制が図られており,社会と経済はファシズムの時代に停滞したのではなく,むしろ合理的な管理のもとにおかれ始めたのである。…

【ファシズム】より

…また,ファシズムの支配下ではどこでも,対外侵略に備えた軍備増強が異常なスピードで行われた。しかし同時に,そこでは体制の統合のために労働者の余暇を組織することも本格的に行われた(ドイツの〈喜びを通じて力を〉(歓喜力行団),イタリアの〈ドーポラボーロ(労働の後に)〉運動)。とくにドイツの場合は〈本土決戦〉を行って壊滅したものの,それまでの占領地の収奪に支えられて,国民生活の切下げは遅くまで回避されたが,日本とイタリアの場合は,軍備のしわ寄せが早くから国民生活を破綻させた。…

【レクリエーション】より

…1932年のオリンピック・ロサンゼルス大会に合わせて,世界レクリエーション会議が開かれ,〈遊戯は諸国民を結合する〉という標語のもと,各国の余暇善用運動の成果が交換された。この会議の第2回(1936)はドイツで,第3回(1938)はイタリアで開かれ,それぞれKDF(Kraft durch Freude,日本では歓喜力行団と訳した)運動,ドーポラボーロDopolavóro(〈労働の後に〉の意)運動の紹介が大々的に行われた。いずれもファシズム体制のもと国民の余暇を組織化して,心身の鍛練をめざそうとしたもので,地域・職域に組織をはりめぐらし,勤労者の旅行サービス,スポーツ,文化活動などを活発に展開した。…

※「ドーポラボーロ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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