世界大百科事典(旧版)内のナクシャトラの言及
【占星術】より
…この時期にメソポタミア地方の前兆占となんらかの交渉があったのではないかと推測されている。インド固有の天文占の要素としては27または28の星宿(ナクシャトラnakṣatra)があげられる。この時期の占星術をよく伝えているのが,後1世紀ころの仏教文献に属する《シャールドゥーラカルナ・アバダーナŚārdula‐karṇa‐avadāna》(漢訳《摩登伽経》)であり,太陽・月と星宿との関係が占いの基本になっている。…
【二十八宿】より
…しかし二十八宿そのものはそれ以前から存在したと考えられる。インドやアラビアの天文学にも二十八宿に相当するナクシャトラやアルマナージルがそれぞれ存在したことから,それらに共通の起源となった地域があったとする推論もある。月の恒星月(月の恒星に対する公転周期)が27.32日であることから,赤道帯に投影して赤道を28に区分した宿を想定すると,月は1日ごとに1宿を通過し,1恒星月にひとめぐりすることになるというところから,二十八宿が生じたとする説のほかに,土星の公転周期29.46日に近いことから,土星の運行に従って周天を28に区分したという説もある。…
※「ナクシャトラ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」