世界大百科事典(旧版)内のビーナス像の言及
【しり(尻∥臀)】より
…女性の尻は豊かに盛り上がり生殖と豊穣を象徴する。フランスのローセル出土のグレート・マザー(大地母神)のレリーフ,シルイユ出土の女体像,オーストリアのウィレンドルフ出土の女身像など,いずれもまるまると隆起した尻をもつものをビーナス像ともいうのは,ビーナス(ウェヌス)に相当するギリシアの美神アフロディテを別名カリピュゴスKallipygos(〈美しい尻をもった〉の意)と称したからである。アフロディテ像はみな,大きく美しい尻をもっている。…
【土偶】より
…食糧獲得にあたって女性像を作り,女性が出産することに仮託して豊かな収穫を祈ることは,農耕開始以前の後期旧石器時代にも行われていた。ヨーロッパからシベリアにかけて発見される,石製や象牙製の乳房や腹部,臀部を極端なほど強調したいわゆるビーナス像がそれである。材質に違いはあるものの,ヨーロッパや西アジアの土偶と同様の願いをこめた女性像である。…
※「ビーナス像」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」