フィッシャー,T.(読み)ふぃっしゃー

世界大百科事典(旧版)内のフィッシャー,T.の言及

【怪奇映画】より

…いずれにしても,怪奇映画は50年代のSF映画の台頭につれて影を潜めるが,これは,放射能や科学実験による突然変異としての生物の巨大化(《放射能X》1953,《ハエ男の恐怖》1958,など)や,人間が縮小したため相対的に生物の巨大化と同じパニックに陥る(《縮みゆく人間》1957)といった設定で,つまりはSFがモンスターの肩代りをしたともいえる。
[1960年代以降]
 60年代は,毒々しい色彩効果によるエロティシズムとサディズムを加味したイギリスのハマー・プロ作品(テレンス・フィッシャー監督,クリストファー・リー,ピーター・カッシング主演《吸血鬼ドラキュラ》1958,等々)と,一連の〈エドガー・アラン・ポー物〉によって,異常心理がらみの幻想劇という独自のイメージを繰り広げたアメリカのAIP作品(ロジャー・コーマン監督,ビンセント・プライス主演《アッシャー家の惨劇》1960,等々)が活況を呈する一方,フランスではジョルジュ・フランジュ監督《顔のない眼》(1960),ロジェ・バディム監督《血とバラ》(1960)といったポエティックな怪奇幻想の心理劇がつくられたが,もっとも注目すべきはヒッチコックの《サイコ》(1960)という真にエポックを画する恐怖映画が生まれたことで,以後の怪奇,SF,恐怖映画のジャンルは,すべて〈サイコ以後〉の名でくくることも可能なくらい決定的に《サイコ》の,ヒッチコックの影響を受けることになる。ウィリアム・キャッスル監督《第三の犯罪》(1961),《血だらけの惨劇》(1964),ロバート・アルドリッチ監督《何がジェーンに起ったか?》(1962)から1970‐80年代の〈モダン・ホラー・ムービー〉(怪奇的なムードで話を運び,結末のどんでん返しを利かせたものが多い)に至るまで,そうである。…

※「フィッシャー,T.」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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