フリッシュ,O.R.(読み)ふりっしゅ

世界大百科事典(旧版)内のフリッシュ,O.R.の言及

【核分裂】より


[発見と研究の歴史]
 1938年O.ハーンは,F.シュトラスマンとともに,天然に存在するもっとも重い元素であるウラン(原子番号92)に中性子を照射し,その結果生ずる微量な反応生成物を注意深く化学分析して,ウランのほぼ半分の質量をもつバリウム(原子番号56)の存在をつきとめた。かつてのハーンの共同研究者L.マイトナーは,この実験結果を伝え聞くや,O.R.フリッシュとともに,この現象を,原子番号92のウランが原子番号56のバリウムと原子番号36のクリプトンに割れる核分裂として説明した。一方,J.F.ジョリオ・キュリーは,ウランの核分裂によって非常に速いバリウムが直接飛び出してくることを巧妙な実験で示した。…

【マイトナー】より

…38年7月,ナチスの迫害からのがれるためドイツを脱出し,オランダ,デンマークを経てスウェーデンに亡命した。ドイツで実験を継続していたハーンから,ウランに中性子を照射したときの生成物中に放射性のバリウムが検出(1938)されたとの知らせを受けると,甥のフリッシュOtto Robert Frisch(1904‐79)とともにバリウム生成を解明するために,N.ボーアによって提唱されていた原子核の液滴モデルを使用して39年核分裂の概念を提出した。第2次世界大戦中は,原爆開発研究への参加要請を拒否してノーベル研究所で働き,47年に退職した。…

※「フリッシュ,O.R.」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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