世界大百科事典(旧版)内のブラジル労働党の言及
【ブラジル】より
…この時期は,競争的・民主的政治の時代もしくは人民主義の時代として知られているが,その実態は代表民主主義というよりは,パトロン・クライアンテリズムpatron‐clientelism(クリエンテス)に基づく政治であった。この時代の主要な政党は,バルガス支持者が結成したブラジル労働党(PTB)と民主社会党(PSD),反バルガス派が結成した国民民主連合(UDN)の3党であるが,いずれも長期的綱領やイデオロギーに基づく政党というよりも,地域的・個人的性格の強いグループが緩やかに結合しただけのきわめてプラグマティックな政党であった。すなわち,各地の有力政治家はカーボ・エレイトラルcabo eleitoralと呼ばれる選挙屋を使って,公職・公共事業契約その他の報酬と引換えに票を集めさせ,その過程でイグレジーニャigrejinhaと呼ばれる個人的な親分・子分関係を形成した。…
※「ブラジル労働党」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」