ヘリアカル・ライジング(読み)へりあかるらいじんぐ

世界大百科事典(旧版)内のヘリアカル・ライジングの言及

【観象授時】より

…中国の古典《書経》尭典に〈日月星辰を暦象し,敬(つつ)しんで民に時を授く〉とあり,《易経》賁(ひ)の卦(か)に〈天文を観(み)て,以て時の変わるを察す〉とあるように,暦法が完成していない段階では,太陽,月,星の出現の状態などの天文現象を観察し,農耕に必要な四時の変化の規則性を見て,広く人民に時を知らせることが支配層の任務であった。尭典では鳥(υHya),火(σSco),虚(βAgr),昴(ηTau)の4星の南中によって仲春,仲夏,仲秋,仲冬を決定したが,メソポタミアでは太陽が出る前に惑星が見えはじめるヘリアカル・ライジングなどの地平線現象に注目し,エジプトではシリウス星のヘリアカル・ライジングによってナイル川の氾濫を予知した。【橋本 敬造】。…

【暦】より

… 古代エジプトにおいて,毎年ナイル川が増水しはじめるころ,シリウスという全天でいちばん明るい恒星が太陽に先駆けて薄明の東の空に見えるようになる。多年にわたる観測の結果,この事実が発見され,ナイル川の洪水時期はシリウスの日出前出現(ヘリアカルライジングheliacal rising)によって予見された。洪水の去ったあとの肥沃の土地に耕作したエジプトの1年は,洪水期,播種(はしゆ)期,収穫期で成り立ち,世界で最初に太陽暦が使用された。…

【シリウス】より

…古代エジプトではソティスといい,女神イシスと同一視され,ことさら崇拝された。この星が日の出直前に東から昇る,いわゆるヘリアカル・ライジングheliacal risingのころが母なるナイルの氾濫(はんらん)期の始まりに一致していたからである。イシスの神殿はシリウスの出没方向に合わせて設計され,ヘリアカル・ライジングの観測によって年始を定めた。…

※「ヘリアカル・ライジング」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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