世界大百科事典(旧版)内のベゾルト,C.の言及
【薔薇十字団】より
…四つの基本文書とは,まず1614年にカッセルから出たパンフレット《全世界の普遍的かつ総体的改革》,並びにその付録の《薔薇十字団の伝説》,15年刊の《薔薇十字団の信条》,最後にシュトラスブルクで16年に刊行された風刺的寓意小説《化学の結婚》である。それらは,神学者J.V.アンドレーエを中心とするチュービンゲンの急進的学者グループの周辺から生まれたとおぼしく,このうち《全世界の普遍的かつ総体的改革》はギリシア学者でアンドレーエの師ベゾルトChristoph Besold(1577‐1638)による,イタリアのカンパネラ主義者ボッカリーニTrajano Boccalini(1556‐1613)の風刺小説《パルナッソス詳報》の一部の抜粋訳,また《化学の結婚》はアンドレーエ個人のみによる著作とみなされている。
[始祖伝説と活動理念]
《薔薇十字団の伝説》によれば,始祖ローゼンクロイツは1378年ドイツに生まれ,修道院で諸学を修めてからアラビア,モロッコなど東方諸国を旅して錬金術と魔術を研究し,ドイツに帰ると7人の同志とともに教団を結成した。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」