ベルヌーイ,D.(読み)べるぬーい

世界大百科事典(旧版)内のベルヌーイ,D.の言及

【期待効用理論】より

…行動の帰結が不確実な状況における合理的な経済主体の判断は,結果に関する効用の期待値に基づいてなされるとする理論。1730年ごろスイスの物理学者D.ベルヌーイは,利得の期待値が無限大である賭であっても,実際にはそれに大金を払って参加しようとする者はいないという〈セント・ペテルブルグの逆説〉を,人は貨幣に関して限界効用が逓減する効用関数をもっており,賭の数学的期待値ではなく,賭のもたらす効用の数学的期待値あるいは期待効用を判断の基準とするという仮説によって説明しようとした。この仮説に厳密な公理体系による裏づけが与えられたのは,1950年代に入ってからである。…

【水理学】より

…しかし,水理学が飛躍的に発展したのは,ガリレオやニュートンによる力学の誕生以後のことである。とくにD.ベルヌーイは,数学的才能にも恵まれるとともに,物理的理解にも優れ,流体の静力学と動力学を扱い,現在の水理学の基礎を確立したといえる。L.オイラー,A.C.クレロー,J.ダランベールもまたそれぞれ水に関する力学の基礎を作り,これら18世紀の学者たちによって水理学は力学に基礎をおく学問的体系を確立したということができる。…

【統計力学】より

…以上のような気体の静力学的理論では物質の対流以外に分子の並進運動は考えられておらず,この点が以下に述べる動力学的理論との根本的な違いである。 原子を剛体球と考え,それらが真空中を自由に飛び回っているという構造仮説からボイルの法則を理解しようとする動力学的理論は,D.ベルヌーイ(1738),ヘラパスJohn Herapath(1821),ウォーターストンJohn James Waterston(1846)らが提出したが,ニュートンやラプラスの権威が学会を支配していた時代には,原子間力を無視する単純化しすぎた理論として受け入れられなかった。熱素説を崩したものは熱量保存則を否定した熱力学の成立であり,J.R.マイヤー,J.P.ジュール,H.L.F.ヘルムホルツによるエネルギー保存則とカルノーの定理の総合として,R.J.E.クラウジウス,W.トムソン(ケルビン)によって建設された。…

※「ベルヌーイ,D.」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

お手玉

世界各地で古くから行われている遊戯の一つ。日本では,小豆,米,じゅず玉などを小袋に詰め,5~7個の袋を組として,これらを連続して空中に投げ上げ,落さないように両手または片手で取りさばき,投げ玉の数や継...

お手玉の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android