世界大百科事典(旧版)内のホトケオロシの言及
【祟り】より
…たとえば神代紀の天鈿女(あめのうずめ)命,崇神紀の倭迹迹日百襲姫(やまとととびももそひめ)命,仲哀紀の神功皇后などが突然神がかりして,狂躁乱舞したり神霊の意志を伝えたりしたのがそれである。こうして〈たたり〉が人間に現れる場合は憑霊状態を示し,いわゆるシャマニズムのさまざまな心的機制を生ぜしめることになるが,今日,下北半島のイタコや沖縄のユタなどに伝えられているホトケオロシやカミオロシなどの巫儀も,この〈たたり〉現象に属する。 次に,神霊や死霊の示現が災禍や危害をともなうとされる場合の〈祟り〉は,当の神や死者の怨みや怒り,そして浄められずに空中を浮遊する邪霊,鬼霊の働きなどによるものとされ,とりわけ平安時代になって御霊(ごりよう)や物の怪(もののけ)の現象としてひろく人々の間に浸透し,恐れられた。…
※「ホトケオロシ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」