世界大百科事典(旧版)内のポートフォリオ・セレクション理論の言及
【資産選択理論】より
…われわれは経済活動にともない貯蓄を行い,その結果として資産を保有する。しかしその資産をどのような形で保有するかは一つの経済的な決定である。すなわち経済主体がもつ資産を現金の形でもつか,定期預金のように収益率が確実に予想できる安全な資産に投入したり,あるいは株式のように安全ではないが平均的にみれば収益率の高い資産の形で保有しておくかという選択の問題が生ずる。このような安全資産と危険資産間の選択の分析が資産選択(ポートフォリオ・セレクション)の理論である。…
【トービン】より
…〈金融市場の分析,および支出決定,雇用,生産や財価格と金融市場との関連の分析〉に貢献したことをたたえられ,81年にノーベル経済学賞を受賞した。家計や企業が多様な資産を保有していることを,危険と期待利得のバランスから説明するポートフォリオ・セレクション理論(〈資産選択〉の項参照)の創始者の一人で,これを金融市場の分析に適用して金融市場が家計や企業の支出決定に及ぼす影響を明らかにした。その分析の特徴は,貨幣を含む金融資産の多様性,さまざまな制度的要因,金融市場と他の市場との相互依存をはっきりした形で考慮することにある。…
※「ポートフォリオ・セレクション理論」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」