ポール,R.W.(読み)ぽーる

世界大百科事典(旧版)内のポール,R.W.の言及

【イギリス映画】より

…18世紀後半に〈パノラマ〉を考案したR.バーカー,19世紀前半に〈ファラデーの車輪〉と呼ばれる装置を発案したM.ファラデー,〈ソーマトロープ〉を考案したフィットンとパリス,〈ゾーエトロープ〉を考案したW.G.ホーナー,19世紀後半には初めて〈連続写真〉の撮影を行ったE.マイブリッジ,映画用カメラを初めて作ったW.フリーズ・グリーン等々。次いで1896年3月に《ドーバーの荒海》と題した自作のフィルムのイギリスでは初めての興行上映を行ったR.W.ポール,1900年前後にいち早くクローズアップやカット・バックといった映画的手法や,ロケーション撮影や書割を背景に用いたセット撮影を駆使して世界最初の〈モンタージュ〉を試みたG.A.スミスをはじめ,J.ウィリアムソン,C.アーバン,C.ヘプワースら,映画史家G.サドゥールによって〈ブライトン派〉と名づけられた映画のパイオニアたちが輩出した。また,ヘプワースは1897年に世界最初の映画の手引書《動く写真または映画撮影のABC》を書き,G.A.スミスとアーバンは1902年に世界最初のカラープロセス〈キネマカラー〉を発明し特許をとっている。…

【映画】より

…初めて1人ではない多数の観客にいっぺんに見せる映画の興行がこうしてスタートしたわけである。この直後に奇術師として知られたジョルジュ・メリエスが,シネマトグラフの権利の譲渡をリュミエールに申し込んだが断られ(その後シャルル・パテーに買い取られることになるのだが),やむをえずイギリスのR.ポール(エジソンのキネトスコープを改良した映写装置を1896年に発明していた)から映写装置を買い取り,世界最初のプロダクション〈スター・フィルムStar Film〉を作ってみずから映画を作り始めた。96年4月23日に,アメリカでもスクリーンに映写するエジソンのバイタスコープが,リュミエールのシネマトグラフを追いかけたかっこうで公開されたということになっているが,これは実はT.アーマットという写真家がキネトスコープ用のフィルムをスクリーンに映写する方式を考案し,これにエジソンのバイタスコープの名が冠せられて大々的に興行されたものであった。…

【メリエス】より

…パリ生れ。多趣味多才で,トリックをとり入れた幻想劇やマジック・ショーの演出家,興行師となるが,1895年,リュミエール兄弟の〈シネマトグラフ〉の歴史的なプレミアを見て心うたれ,96年,ロンドンでロバート・W.ポール(1869‐1943)の〈バイオスコープ〉映写機とエジソンの〈キネトスコープ〉作品を買い入れて映画の上映を始め,さらに〈バイオスコープ〉のメカニズムをもとにしたカメラを作り,〈スター・フィルム〉社を設立して実写映画の製作を始めた。97年には,パリ郊外のモントルイユの邸宅の庭にヨーロッパで最初のグラス・ステージを中心とした撮影所を作り,手工業的であった映画作りを改め,職能を分化した映画の製作システムを確立,トリックを自在に使った荒唐無稽な喜劇や幻想的な映画を作った。…

※「ポール,R.W.」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

お手玉

世界各地で古くから行われている遊戯の一つ。日本では,小豆,米,じゅず玉などを小袋に詰め,5~7個の袋を組として,これらを連続して空中に投げ上げ,落さないように両手または片手で取りさばき,投げ玉の数や継...

お手玉の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android