世界大百科事典(旧版)内のマソラ学者の言及
【旧約聖書】より
…ユダヤ教時代の日常語であったアラム語は,《ダニエル書》と《エズラ記》の一部に,あとはごくわずか例外的に使用されているにとどまる。聖書本文の保持伝承のために,マソラ学者と呼ばれる人々が早くから努力を重ね,後代よい写本を選んで本文を校訂し,必要な注記を欄外に加え,死語となったヘブライ語で本文を正しく読むことのできるように,子音字で書かれている本文に母音符号を添え,今日マソラ本文と呼ばれる原典が7世紀以降に完成した。原典は24巻から成り,〈律法(トーラー)〉,〈預言者(ネビーイーム)〉,〈諸書(ケスービーム)〉の3部に分かたれている。…
【ヘブライ文字】より
…古代イスラエル人は,前2千年紀のカナン侵入後,そこで既に用いられていた北西セム文字(一般には〈フェニキア文字〉として知られる文字体系。〈アルファベット〉の項を参照)を借用して,自分たちの言葉すなわちヘブライ語を書き記したと考えられ,前10~前6世紀の碑文などはすべてこれで書かれている。この北西セム文字(ヘブライ語が書かれている場合は古ヘブライ文字)から,いわゆるヘブライ文字として知られる方形の文字への変形は,前5~前4世紀の帝国アラム語の資料において既に始まっており,前1世紀ころの死海写本ではほぼ完成した字体が見られる。…
※「マソラ学者」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」