マルコフニコフ,V.V.(読み)まるこふにこふ

世界大百科事典(旧版)内のマルコフニコフ,V.V.の言及

【位置特異性】より

…(2)付加反応非対称なアルケンに非対称な求電子試薬HXが付加する求電子付加反応において,試薬のプロトンHはアルケン炭素のうち水素を多くもつものに,陰イオンXはもう一方の炭素(より置換された炭素)に付加し,特異(選択)的に(C)を与える。この型の位置特異性をもつ付加の様式を,最初にこの現象に注目し報告(1868)したロシア人化学者マルコフニコフVladimir Vasil’evich Markovnikovにちなんで,マルコフニコフ付加という。マルコフニコフ付加は,プロトンがアルケンに付加して生じるカルボカチオン中間体の安定性の差によって説明される。…

【マルコフニコフ則】より

…プロピレンCH3CH=CH2のような非対称アルケンにハロゲン化水素,硫酸,水などHX型の求電子試薬が付加する際の,付加の方向に関する経験則。二つのアルケン炭素のうち,水素原子とより多く結合したほうの炭素にHが結合し,アルキル置換の多いほうの炭素にXが結合した付加物が主生成物となるという通則で,1869年にロシアの有機化学者マルコフニコフVladimir Vasil’evich Markovnikov(1838‐1904)により見いだされた。これら求電子付加反応ではカルボカチオンが中間体となり,その安定性の差によって配向性が決まるものと考えられる。…

※「マルコフニコフ,V.V.」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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