メティス(読み)めてぃす

世界大百科事典(旧版)内のメティスの言及

【アテナ】より

…彼女はもともとギリシア先住民族の女神で,ミュケナイ時代には王侯の宮殿が立つアクロポリスの守護神であったが,やがて政体の変化とともにポリスそのものの守護神,さらにはポリスの存続・発展に不可欠のさまざまの技術や学芸の女神となったものと考えられる。神話では,ゼウスとその最初の妻メティスMētis(思慮の女神)の娘とされ,メティスから生まれる男子は父の王座を奪うだろうとの予言におびえて妊娠中の妻をのみ込んだゼウスの額から,すでに成人し,武装した姿で飛び出したという。彼女の崇拝の中心地であったアテナイとの関係については,かつて彼女と海神ポセイドンがこの町の領有を争ったおり,海神が三叉の矛を一撃してアクロポリス上に馬(一説では塩水の泉)を出現させたのに対して,彼女はオリーブの木を生じさせた。…

【ギリシア神話】より


[神界秩序の確立]
 天界の新支配者ゼウスは多数の女神との間に次の世代の神々をもうけ,各自に権能を定める。まず思慮の女神メティスMētisを妻とした。女神がアテナを出産しようとしていたおり,メティスがゼウスにとって代わる有力な神を産む運命にあることを知ったゼウスは,彼女を自分の腹に収めてしまい,アテナを自分の額から生み出した。…

※「メティス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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