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ヤミ専従 やみせんじゅう

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知恵蔵2015の解説

ヤミ専従

「専従」とは、もっぱら一つの業務に従事すること。ここでの業務とは労働組合の活動を指す。つまり、公務員が適法な許可を得ないまま、勤務時間内にもかかわらず、組合活動に専従することをいう。
2005年、大阪市で勤務実態のない複数の職員の組合活動が表面化し、長年の労使癒着を背景とした職員厚遇、カラ残業などの実態が次々と明らかになった。その後、年金問題で揺れる社会保険庁でも、職員30人のヤミ専従が発覚。厚生労働省は相当する給与(約8億3千万円)を職員に返還させ、08年12月には管理責任者を含む40人を背任容疑で告発した(返金後、不起訴処分)。
また同年3月には、農林水産省のヤミ専従を告発するメール人事院に寄せられ、調査の結果、地方出先機関の職員142人の不透明な勤務状況が浮かび上がった。再調査を行った農水省は、すべて適法な勤務実態があったと総務省に報告したが、調査を担当した同省の秘書課長が新聞社の取材に改ざんした文書を示し、虚偽の説明をしたため、省ぐるみの隠蔽(いんぺい)工作の疑いも持たれている。また142人の勤務実態についても、労使交渉の名目で出勤扱いになっていたという疑惑が消えず、09年4月、同省は外部専門家による「無許可専従問題に関する第三者委員会」を発足させた。
なお、国家公務員法108条は「(労働条件等についての)適法な交渉は、勤務時間中においても行なうことができる」と、勤務時間内の労使交渉の権利を保障している。ただし「交渉に当たっては、職員団体と当局との間において、議題、時間、場所その他必要な事項をあらかじめ取り決めて行なう」とあり、交渉時間や日数についての厳格な定めはない。地方公務員法55条も、同様の規定になっている。

(大迫秀樹 フリー編集者 / 2009年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

朝日新聞掲載「キーワード」の解説

ヤミ専従

出勤したように装って給与をもらいながら、実際には正規の許可なく職場を離れて労働組合の活動に専従すること。大阪市や社会保険庁などでは勤務実態の伴わない組合活動が問題化した。現行の国家公務員法は、勤務時間中でも労使交渉する権利は認め、適法な交渉は出勤扱いにできる。ただ、同法には、どこまでを適法の交渉とするか時間や日数の制限はない一方で、「交渉の申し入れがあれば当局は応じるべきだ」と規定。農水省の場合、「労使交渉」と称して出勤扱いにし、実質は組合活動に専従していた疑いが浮上している。

(2009-03-27 朝日新聞 朝刊 2総合)

出典|朝日新聞掲載「キーワード」
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