朝日日本歴史人物事典 「リッテル」の解説
リッテル
生年:1828
明治期に来日したお雇い外国人。ドイツ人理化学教師。ドイツのハノーバー生まれ。ゲッチンゲン大学卒業後,アメリカに渡り化学工業に従事したのち,ドイツに帰国して学位を取得。明治3(1870)年金沢藩に招かれて来日したが,金沢で教えることなく,大阪の理学所でオランダ人ハラタマの後任者となった。6年東京に出て開成学校(東大)教師となったが,翌年死没し,横浜の外国人墓地に葬られた。後任にはドイツ人ワグナーが就任した。ハラタマと並んで日本の理化学教育の創始者であり,両教師の教えを受けた者たちは,8年のリッテルの期年に際して理学社を作り,毎月第1土曜日に討論会を催し,のちに『理化土曜集談』を刊行した。
(三好信浩)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報