リラダン,V.de(読み)りらだん

世界大百科事典(旧版)内のリラダン,V.deの言及

【アンドロイド】より

…〈人間に似たもの〉の意から転じて,SFでは人間そっくりに作られたロボットを指す語。最初にこの言葉が使われたビリエ・ド・リラダン《未来のイブ》(1886)に登場するのはアダリーという精密な機械仕掛けの美女アンドロイドだが,金属製の労働ロボットと区別して有機的合成人間をアンドロイドと呼ぶ向きもあり,定義は明確でない。F.ラングの映画化で有名な《メトロポリス》をはじめ,現代社会の高度の合理性と柔軟な人間性との両立に起因する矛盾と悲劇性をアンドロイドに託した作品が多い。…

【映画】より


[〈悪魔の発明〉への予見]
 この前史の段階で,やがて映画が1人の偉大な人物によって発明されることを予言した1冊の書物があった。当時,アメリカ合衆国ニュージャージー州メンローパークの〈科学部落〉から,蓄音機,マイクロホン,電灯など数々の発明を世に送り出して,〈世紀の魔術師〉〈メンローパークの魔法使い〉〈蓄音機のパパ〉等々と呼ばれていたトマス・エジソンを主人公にして書かれた,リラダンの小説《未来のイヴ》(1880)である。リラダンはここで,科学と発明の世紀であった19世紀の象徴ともいうべきエジソンが,科学技術の粋としての〈映画〉の発明に必然的にいきつくであろうことを,〈我々が`電気’と呼んでゐるあの驚くべき生命動因(アジャン・ビタル)によってはじめて動かされた〉人造人間(アンドロイド)の発明という形でなまなましく〈予言〉している。…

【ビリエ・ド・リラダン】より

…フランスの詩人,小説家。11世紀にさかのぼるブルターニュの名門の生れで,自身も伯爵であったが,父が財産を蕩尽したばかりか巨額の借財まで残したので,成年後は貧窮の生活を強いられた。20歳のときボードレールの知遇を得てエドガー・ポーの美学を啓示され,つづいてワーグナーの音楽に熱中,また神秘論に親しんだ。これらの影響は物質主義的・実証主義的な近代市民社会と,良識の名を僭称するその厚顔さとに対する激烈な憎悪を彼のうちにはぐくんだ。…

※「リラダン,V.de」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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