ルーシュ,J.(読み)るーしゅ

世界大百科事典(旧版)内のルーシュ,J.の言及

【アフリカ映画】より

…アフリカを舞台にした劇映画やアフリカの記録映画(いずれも白人によって撮られたもの)を別にすれば,1960年代に入るまで〈真のアフリカ映画〉は存在しなかった。〈真のアフリカ映画〉とは,〈アフリカ黒人によるアフリカ黒人のためのアフリカ黒人の映画〉(ジャン・ルーシュ),すなわち〈黒人たちだけが脚本を書き,出演し,撮影し,演出し,アフリカ語を話す長編劇映画〉(ジョルジュ・サドゥール)のことである。60年を中心に植民地時代を脱して独立しはじめたアフリカ新興国が,国威発揚と経済的および教育的目的のために映画製作に乗り出したが,機材も人材も上映組織もないうえに言語の問題(方言が多く,ほとんどのことばが相互に通じないこと)もあり,映画の産業化は規模も小さく遅れがちだった。…

【シネマ・ベリテ】より

…《カメラをもつ男/これがロシアだ》(1920)で知られるロシアの前衛的記録映画作家ジガ・ベルトフが1922年に,大新聞《プラウダ》に対して自分の撮るニュース映画はその付録として〈映画(キノ)に撮られた新聞〉であるという意味で〈キノ・プラウダ〉と名づけたが,フランスの映画史家ジョルジュ・サドゥールがこれをフランス語に直訳し(キノ=シネマ=映画,プラウダ=ベリテ=真実),1950年代後半から60年代にかけて台頭したフランスの新しいドキュメンタリー映画,とくにアフリカを舞台に活躍していた人種学者ジャン・ルーシュの一連の作品に与えた名称である。なかでも,黒人たちに彼ら自身の現実の生活を〈演じ〉させ,スクリーンに再現させた《私は黒人》(1959)は,かつてロバート・フラハティが《極北の怪異(ナヌーク)》(1922)で試みた方法を推進し,体系化して,〈人間の真実を現実の磁場で生々しくとらえる〉というシネマ・ベリテの最初の傑作として評価された。…

※「ルーシュ,J.」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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