レイビック,H.(読み)れいびっく

世界大百科事典(旧版)内のレイビック,H.の言及

【イディッシュ文学】より

…しかし彼がメンデレ,ペレツ,シャローム・アライヘムとともに後進作家の集団に働きかけ,イディッシュ文学の育成と向上に貢献した功績は大きい。 これらと並ぶ特異な詩人としては,若年期から急進的活動家だったH.レイビック(1886‐1962)が目立ち,彼は獄中体験を素材に《鉄錠の裏側》(1918),《シベリアの道》(1940)の詩集を発表し,苦難にあえぐ人間たちの幻想や魂の救済を歌ったし,また,ソ連で活躍したマールキシPerets D.Markish(1895‐1952)は共産主義に深く傾倒すると同時に,同胞民族に対する残虐行為への痛恨を《人民と祖国》(1943),《戦争》(1948)などの叙事詩で吐露したのだが,イディッシュ語作家粛清の難に遭って処刑された。 19世紀の後期以後,その高揚期を現出させたイディッシュ文学は,第2次大戦中のユダヤ人大量虐殺や,戦後建国されたイスラエルのヘブライ語公用化のため,新たな筆者・読者層の世代形成は必ずしも容易でない現状にあるが,にもかかわらず東欧から入国した作家たちにイディッシュ語復興の気運が兆しているのも事実であり,60年代以降イスラエルでのイディッシュ語刊行物はその数を増し,季刊文芸誌《黄金のきずなDi Goldene Keyt》は順調に発行されている。…

※「レイビック,H.」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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