レイン,T.(読み)れいん

世界大百科事典(旧版)内のレイン,T.の言及

【映画】より

…映画を〈芸術〉に高めようとすればするほどこれらの映画理論や映画批評は,結局は,すべての映画を芸術に高めることではなく,逆に一部の〈優れた〉作家や作品だけを特別扱いすることで,映画そのものを〈差別〉せざるをえないという必然性を背負っていたのである。〈映画は葛藤(かつとう)の芸術である〉と定義し,〈映画芸術的な形象,映画芸術的な形式を創造する秘密〉を徹底して追究したエイゼンシテインも,〈娯楽性のイースト(酵母)菌に膨らんだ大多数の平凡な映画作品〉を差別せざるをえなかったし,アメリカの映画批評家タマール・レインもその著《米国映画界縦横録》(1923)において,〈活動写真に芸術がないと云うならば,その人は映画に対する偏見に固まっているのか,さもなければ,生憎その人が常設館へ見に行った時には《ボッブド・ヘアー》とか《ターザン》などという写真がかかって居たので,それから割り出した議論であろう〉と書いた。日本でもH.ミュンスターバーグの映画理論の草分け的名著《映画劇――その心理学と美学》(1916)を訳出した哲学者,谷川徹三(久世昂太郎)はその序文で,〈活劇〉によって映画劇全体を推しはかってはならないとし,映画が独自の芸術であることを理解するためには〈優れた監督と俳優との折紙づきの映画を見ること〉だと書いている。…

※「レイン,T.」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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