レグラ・マギストリ(読み)れぐらまぎすとり

世界大百科事典(旧版)内のレグラ・マギストリの言及

【ベネディクトゥス[ヌルシアの]】より

…すなわちそれは東方修道制のいたずらに厳格な道を避けて中庸の精神を堅持し,修道士の労働や定住義務を重視し,修道院の運営を組織化し,その自律性を物心両面で確立しようとしたもので,以後全西欧の修道士の遵守すべき基本準則となった。もっとも最近はこの会則と〈レグラ・マギストリ〉の名で伝わる起草者不明の会則との系譜関係が問題となり,研究の大勢は後者を先行文書とするほうに傾きつつある。もしそうだとすると,それを大幅に引用している会則の独自性はそれだけ弱まることになるが,それでもこの会則の簡潔な卓抜さはそこなわれることはない。…

【ベネディクト会】より

…5,6世紀のみぎりイタリアはゲルマン諸王国興亡のさなかにあって政治・経済的荒廃がはなはだしかったが,同時に精神的更生を求める気運も盛んで,あらゆる社会階層から修道士志願者が続出していた。ベネディクトゥスはこれらの人々を集めて〈天主に奉仕する学校〉を創立しようと試み,ローマ法や〈レグラ・マギストリRegula magistri〉(6世紀初頭に起草された筆者不明の修道院規則)などを参照しつつ,個人的体験をもとに独自の中庸を得た修道生活の原則を樹立し,修道院長を父とする家庭としての組織をあみだした。この会則はやがて西欧修道制の一つの典型となり,アイルランド系の戒律と競合して8世紀以降圧倒的な影響力を示すことになる。…

※「レグラ・マギストリ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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