ロッツェ,H.(読み)ろっつぇ

世界大百科事典(旧版)内のロッツェ,H.の言及

【多元論】より

… 一と多との対立はピタゴラス学派,クセノファネス,パルメニデスとヘラクレイトスとの対立に起源するが,多元論者の代表は哲学史上,古代では,世界を構成する地・水・火・空気の四根rizōmataの愛・憎による結合・分離を説くエンペドクレス,無数の種子spermataを精神nousが支配して濃淡・湿乾などが生じ世界を成すとするアナクサゴラス,形・大きさ・位置のみ差のある不生不滅で限りなく多数の原子atomaが,空虚kenonの中で機械的に運動して世界が生じるとするデモクリトス,さらにはエピクロスなどを挙げることができる。近世では,表象能力と欲求能力とを備えて無意識的な状態から明確な統覚を有する状態まで無数の段階を成すモナドを説くライプニッツ,近代ではその影響下にあって経験の根底に多数の実在を認め心もその一つとするJ.F.ヘルバルト,真の現実界は物質界を現象として意識する自由で個体的な多数の精神的単子から成ると説くH.ロッツェなどである。さらにまたW.ジェームズは自己の根本的経験論は多元論であり,世界はどの有限な要素も相互に中間項によって連続せしめられており,隣接項とともに一体を成しているが,全面的な〈一者性oneness〉は決して絶対的に完全には得られぬとして,多元論の立場から多元的宇宙を説き,一元論的な絶対的観念論の完結した全体的な宇宙観を退けた。…

※「ロッツェ,H.」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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