ワイリー,A.(読み)わいりー

世界大百科事典(旧版)内のワイリー,A.の言及

【幾何原本】より

…明末にイエズス会士マテオ・リッチ(漢名,利瑪竇)が来朝し,その指導により徐光啓が1606年(万暦34)にその前半6巻を漢訳した。後半の9巻は,清末の1856年(咸豊6)にイギリス人宣教師ワイリーAlexander Wylie(漢名,偉烈亜力)が李善蘭の協力を得て訳出した。従来の中国数学になかった論証的幾何学を中国に紹介するのがリッチのそもそもの意図であったが,この訳書のまえがきでは,中国数学に欠けていた,科学的思考にとって重要な論証の方法や演繹法について,リッチは一言も語ろうとはしていない。…

【洋務運動】より

…1865年(同治4),李鴻章は上海に江南機器製造総局(江南製造局)を,南京に金陵機器局を設立し,銃弾,火薬,銃砲などを製造した。また68年には江南製造局が繙訳館を設立し,アメリカ人宣教師フライヤーJ.Fryer(中国名は傅蘭雅)やワイリーA.Wylie(偉列亜力)らを招き,《汽機発軌》《泰西採煤図説》ほか自然科学,技術,歴史,国際法などに関する外国書が翻訳された。(2)実業。…

【李善蘭】より

…浙江省に生まれ若くして数学を好んだ。1852年(咸豊2)上海に赴き,イギリス人宣教師A.ワイリー(偉列亜力)とともに,ユークリッドの《ストイケイア》を訳し,《幾何原本》後編9巻を出した。そのほかワイリーと《代数学》《代微積拾級》を訳し,また同じくイギリス人宣教師J.エドキンズ(艾約瑟)とともに《重学》を訳し,ヨーロッパ数学を紹介した。…

※「ワイリー,A.」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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