下掛り宝生流(読み)しもがかりほうしょうりゅう

世界大百科事典(旧版)内の下掛り宝生流の言及

【宝生流】より

…(2)能のワキ方の流派名。下掛り(しもがかり)(金春,金剛,喜多の3流を指す)の金春流に属したワキ方春藤流(しゆんどうりゆう)から分かれたので,シテ方宝生流と区別して〈下掛り宝生流〉とも,〈下宝生(しもぼうしよう)〉〈脇宝生(わきぼうしよう)〉とも呼ぶ。流祖は,春藤流3世六右衛門道覚(?‐1630)の三男権七(?‐1692)で,宝生流を後援した将軍徳川綱吉の命で同流の座付となり,養子新之丞(?‐1724)から姓も宝生と改めて一流を立てたという。…

【ワキ方】より

…能楽において,能のワキ,ワキヅレ,ワキ後見の各役を担当する演者とその集団。シテ方囃子方狂言方に対しての呼称。現在,宝生流福王流高安(たかやす)流の3流がある。廃絶した流派に進藤流(明治期に廃絶),春藤流(大正期に廃絶)の2流があった。宝生流は,シテ方宝生流と区別して脇宝生(わきぼうしよう)と称し,また金春(こんぱる)座付であった春藤流の分れなので下掛(しもがかり)宝生流とも称される。観阿弥・世阿弥時代には,シテ方とワキ方とが未分化で,《風姿花伝(ふうしかでん)》にいう〈脇の為手(して)〉とは現在のワキやシテヅレのことを意味し,〈棟梁の為手〉(現今のシテのこと)に対し文字どおり脇役の意だったが,室町中ごろからしだいにワキ独自の技法を確立し,分業制になった。…

※「下掛り宝生流」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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