世界大百科事典(旧版)内の《不似合いなカップル》の言及
【風刺画】より
…また中世後期のボスは祭壇画《乾草の車》で,乾草の車に執着する随行員として,教皇,司教,王,貴族,下位聖職者だけでなく,市民や農民などあらゆる階級を描くことで,人間の心に潜む〈貪欲〉を暴き出している。 ルネサンス期ドイツでは,L.クラーナハが《不似合いなカップル》のテーマを量産し,老人とその財産目当ての若い娘との不自然な組合せを描き,当時の堕落した社会風俗を批判している。なお彼の工房はルターのために13対の木版画連作《キリストの受難とアンチキリスト》を制作したが,その一組には〈神殿から商人を追い払うキリスト〉に対し,〈教皇庁で王や高位聖職者から金を受け取る教皇〉を描いた。…
※「《不似合いなカップル》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」