世界大百科事典(旧版)内の《不運な旅人》の言及
【ナッシュ】より
…なかでも匿名でピューリタンを攻撃した一連のパンフレットと,G.ハーベーとの激しい論争にまつわるものが有名であるが,とくに後者に属するものの一つ《文なしピアースの悪魔への嘆願》(1592)は,当時の拝金思想とその風俗を徹底的に風刺するものとして人気を博した。彼の代表作《不運な旅人》(1594)はスペイン風〈悪者小説(ピカレスク小説)〉の部類に属するイギリス最初の作品として文学史上重要視されている。劇作家としては,C.マーローと共作して《カルタゴの女王ダイドー》(1587ごろ)を,B.ジョンソンと共作して《犬どもの島》(1597)を書いたことが知られているほか,彼単独の戯曲として仮面劇風の喜劇《夏の残した遺言書》(1592)が現存している。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」