世界大百科事典(旧版)内の《世界の体系》の言及
【デュエム】より
… 科学史家としてのデュエムは,中世文献の解読という実証的方法によって,ラテン中世を科学の宝庫としてとらえ,〈暗黒の中世〉観を正す出発点を作った。この分野の主著は一部死後出版の大著《世界の体系》10巻(1913‐59)や,《レオナルド・ダ・ビンチ研究》3巻(1906‐13)で,近代科学の源流を13世紀以降のラテン中世に求めるという今日の科学史記述法はこれらに発する。科学哲学では,主著《物理学理論の目的と構造》(1906)において,物理学理論と科学的認識の関係を分析し,経験的データの理論負荷性,決定実験の不可能性など,今日のこの分野の中心的課題となる問題に先駆的な考察を行っている。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」