世界劇場(読み)せかいげきじょう

世界大百科事典(旧版)内の世界劇場の言及

【バロック劇】より


[バロック劇の開花とその特質]
 ルネサンス期には大きくみれば,上述のように〈ことば〉を中心とする古典的ドラマの発見と定着が見られたわけであるが,バロック期になると,感性的な演劇手段が多用されるようになり,せりふの劇は後退する。イタリア,スペイン,オーストリア,南ドイツなど旧教国の宮廷でしばしば行われた祝祭劇は,バロック劇の典型的なもので,そこでは狭い〈舞台〉の概念は破壊され,舞台は全世界を表すという〈世界劇場〉の理念が導入された。台本は総譜にすぎなくなり,支配者が全世界に君臨することを示すために世界各地の動物が集められ,華麗なパレードや,花火や噴水まで使った仕掛けが用いられて,星辰まで含めた種々の寓意的人物も登場した。…

※「世界劇場」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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