世界総主教(読み)せかいそうしゅきょう

世界大百科事典(旧版)内の世界総主教の言及

【グレゴリウス[1世]】より

…590年以後教皇として教区民に毎日曜日説教し,市民への食糧供給を組織化し,市の役人の志気を鼓舞し,彼らの司法行政を監督し,教会を新設・修理し,貧民にはたびたび食糧や衣類を支給するなど精力的な活動によって,カトリックの頭としての教皇職の来るべき発展に大きな礎石を据えた。コンスタンティノープル総主教ヨアンネス4世が世界総主教(オイクメニコス・パトリアルケス)なる称号を用いたときも,これは教会法に反しまた平和を乱すものとして激しく非難した(595)。アリウス派を奉ずる北イタリアのランゴバルド族に対しても,もっぱら伝道による改宗という平和的手段で接近し,王妃テオデリンダを通じて王子アデルバルトにカトリックの洗礼を受けさせることに成功した。…

【東方正教会】より

…東方正教会は,おもにロシア(ロシア正教会),東欧,バルカン半島,西アジアに分布し,それぞれが総主教または大主教(ギリシアの場合)のもとに完全な自治を有する独立教会を成す。カトリック教会のローマ教皇のような全体の首長はなく,伝統により,コンスタンティノープル総主教(トルコのイスタンブールに総主教座を置く)に〈世界総主教〉なる名誉上の首位を示す称号を与えている。 歴史的に見ると,古代教会と五総主教制(ローマ,コンスタンティノープル,アレクサンドリア,アンティオキア,エルサレム)が6世紀に崩れて,ローマ教会が西方,コンスタンティノープル教会が東方の教会を代表することになると,両教会の関係がしだいに悪化し,1054年に東西両教会の決定的分離を迎える。…

※「世界総主教」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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