世直し大明神(読み)よなおしだいみょうじん

世界大百科事典(旧版)内の世直し大明神の言及

【佐野政言】より

…政言は乱心という理由で切腹を命ぜられ,浅草徳本寺に埋葬された。ちょうど江戸の米価が下がりつつあったことと結びつけて,当時の町人たちは政言を〈世直し大明神〉と称して,この事件を政言の義挙として歓迎した。なお政言の意知襲撃の理由は私憤であったといわれる。…

【世直し】より

…もともとは,縁起直し,世の中の悪い状態を直すことを意味する語として,また地震,雷などを除ける呪(まじな)いの言葉として,17世紀末ごろから都市民の間で使われた言葉である。
[世直し大明神]
 1784年(天明4)3月24日,新番組の旗本佐野善左衛門政言(まさこと)が,江戸殿中で当時権勢並ぶ者がないといわれた田沼父子のうちの田沼意知(おきとも)に斬りつけ,これがもとで意知は3月26日に死に,意知の父意次(おきつぐ)も急速に権勢を弱め,86年老中を免職となり,翌87年に減封された。この政言の殿中での刃傷(にんじよう)は私憤によるものであったが,当時田沼政治に強い不満をもっており,とくに賄賂(わいろ)政治を不正であると考えるに至っていた江戸市民の強い関心を引いた。…

※「世直し大明神」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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