世界大百科事典(旧版)内の世紀末世界の言及
【ウィーン】より
… このようなコスモポリタン的で民衆的な特質とともに,とりわけ19世紀末から20世紀にかけてのウィーン文化には,ハプスブルク帝国の没落の意識が暗く投げかけられている。それは象徴的な意味で〈世紀末世界Fin de Siècle‐Welt〉であった。R.シュトラウスと協同してオペラに幻想的世界をつくりだしたホフマンスタール,フロイトの影響下で独自の心理描写を展開したシュニッツラーらがその典型である。…
【オーストリア】より
…またウィーンはキリスト教社会党の市長ルエガーKarl Lueger(1844‐1910)の下で近代的大都市に発展した。 1890年ころ文学の領域で転換が生じ,ホフマンスタールやシュニッツラーらの〈世紀末世界Fin de siècle‐welt〉が生み出される。ホフマンスタールはR.シュトラウスと共同して《サロメ》その他の作品を生み,またシュニッツラーは,心の内奥の独白を描くことで同郷人のフロイトの影響を受けている。…
※「世紀末世界」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」