世界大百科事典(旧版)内の二分子求核置換の言及
【求核反応】より
…イオン反応のうちで,試薬の攻撃を受ける基質の反応部位が電子不足の(形式的には正電荷を帯びた)状態にあり,負電荷をもつイオン種または非共有電子対をもつ試薬が基質に電子を与えるような反応をいう。親核反応,アニオノイド反応anionoid reactionと呼ばれたこともある。ルイス塩基として働く電子供与性試薬は求核試薬nucleophile(nucleophilic reagent)と呼ばれる。おもな求核試薬を表に示す。…
【二分子反応】より
…有機化学においては律速段階が二次反応であるような反応を二分子反応ということが多い。たとえば C2H5Br+NaOCH3 ―→C2H5OCH3+NaBrは,速度式がv=k[C2H5Br][NaOCH3]で表される代表的な二分子求核置換反応(SN2反応)である。このほか脱離,付加反応などにも同じ意味で二分子反応機構で進むものがある。…
【有機化学反応】より
…たとえば臭化メチルと水酸化物イオンの反応を例にあげることができる。 CH3Br+OH-―→CH3OH+Br- ……(18) 反応速度がv=k[CH3Br][OH-]で表されるので,この型の反応は二分子求核置換bimolecular nucleophilic substitution(SN2と略記)である。この事実および基質が光学活性のとき反転(ワルデン反転)が起こることからヒューズE.D.HughesおよびインゴルドC.K.Ingoldらは,三角両錐形の五配位遷移状態を提案した。…
※「二分子求核置換」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」