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二資料仮説(読み)にしりょうかせつ

世界大百科事典(旧版)内の二資料仮説の言及

【イエス伝】より

… 福音書批判は同時に,イエス伝研究の史料としてどの福音書が優先されるべきかという文献学的問題を呼び起こし,実にさまざまな提案がなされた。やがて《ヨハネによる福音書》よりは他の三つのいわゆる〈共観福音書〉を,後者の中では《マルコによる福音書》を最古のものとして優先する立場が有力となり,自由主義神学の代表者の一人ホルツマンHeinrich Julius Holtzmann(1832‐1910)に至って,いわゆる〈二資料仮説〉が確立された。自由主義神学のイエス伝は《マルコによる福音書》を基本枠として,共観福音書が伝える諸事件とイエスの言葉を,ときには史的空想と心理主義的な内面描写をも用いて伝記的な前後関係へ整理し直し,〈メシア〉たるイエスの自己意識の内的発展を一種の歴史読物として再構成して見せる。…

【福音書】より

…後2世紀以後の呼称で,イエスの言葉と業(わざ)を相互に連関させ,その死にいたるまでを叙述する文書を指す。最古の《マルコによる福音書》は後70年ころ,《マタイによる福音書》と《ルカによる福音書》が80‐90年,《ヨハネによる福音書》が100年ころの成立と考えられる。〈……による福音書〉という語法には,元来一つであるべきイエスの救いの〈福音〉を異なる複数の視点から表現するものという意味が含まれる。最初の三福音書は内容と構成の面で相似点が多く,相互に対照させて読めるため〈共観福音書〉と呼ばれる。…

※「二資料仮説」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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