世界大百科事典(旧版)内の五台山図の言及
【敦煌莫高窟】より
… 張氏と曹氏が支配した帰義軍期には各種の経変はどの窟も千篇一律ともいえる類型的傾向がさらに進み,尊像や供養者の容貌には精神性を求めることができない。その中にあって宋代の第61窟奥壁に描かれた壮大な〈五台山図〉は,霊異現象が出現する五台山信仰を反映するものであるが,山々に点在する堂塔伽藍,下段の街や道中風景に当時の風俗と庶民生活を知る勝跡図として貴重である。元代の窟にはチベット系の密教絵画が現れ,北朝後期以来,中原絵画の基調を保持していた敦煌壁画も大きな転換期を迎える。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」