世界大百科事典(旧版)内の五箇の景物の言及
【詩語】より
…それはまた,日本列島で一年間に継起する自然現象や人事・風俗を,一群の選ばれた語彙によって細かく分節化し,美的にそれを享受することを通じて,自然と人間の交感をいっそう体系的に遂行しようとする意思の産物でもあった。これら季題の頂点をなす最重要の題目は〈花,時鳥,月,雪,紅葉〉で〈五箇の景物〉とよばれ,勅撰和歌集や連歌の時代から江戸の俳諧にいたるまで,その扱いは特別に重視された。江戸の俳諧之連歌(連句)においても,花の定座・月の定座の句は晴れの位置にあるものとして連歌の場合と同様に重視された。…
※「五箇の景物」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」