世界大百科事典(旧版)内の京都十合枡の言及
【京枡】より
… 中世には,零細な私的土地支配の進展にともない,統一的な枡の使用は見られず,とくに室町時代には,その傾向は極度に達した。しかし反面,商業の発展,商業圏の拡大から,枡統一の気運が高まり,また京都が政治的のみならず,交換経済の最大の中心地であったので,畿内では京都十合枡,あるいは京枡と称する京都の通用枡が,しだいに権威を持つに至った。1568年(永禄11),織田信長が上洛すると,この京都十合枡を公定枡に指定した。…
【升∥枡】より
…液体,粒体または粉体などの体積を量る器具を体積計というが,このうちこれらを口縁まで満たし,あるいは口縁付近の内面につけた目盛線または指標まで満たして,つまり盛り切って単位量を量りとるものを枡という。西洋においては一般に金属製円筒形であるが,東洋では近世まで木製の方形,台形がふつうで逆台形のものもあったが日本ではすべて方形であった。中国語では量器,英語ではmeasureの一つに分類される。枡は和語で語源には諸説があり《成形図説》は〈升,斗,斛(こく)と倍増してゆくので増(ます)からきた〉と〈麻須〉を当てており,《大言海》も〈増ノ義,合ヲ積ミ升ヲ積ミ相増ス意ト云フ〉としているが,《岩波古語辞典》は〈朝鮮語mal(升)と同源〉としている。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」