人彘(読み)じんてい

世界大百科事典(旧版)内の人彘の言及

【糞】より

…人糞に残った栄養物をなお消化しうるから豚が食べるわけで,落ちてくる糞を豚が待つ厠は,かつて大陸から琉球,台湾,さらにフィリピンにまで伝えられた。漢の高祖の死後,呂后(りよこう)が高祖の愛妾(あいしよう)戚(せき)夫人の手足を切り,目をえぐって耳を焼き,厠に入れて人彘(じんてい)(彘は〈豚〉の意)とあざけったのも圂の習俗による。日本には《倭玉篇(わごくへん)》などに〈溷〉は〈カワヤ〉であると記されているが,豚をたくさん飼うことはなく,実体としての溷はなかった。…

【呂后】より

…手足を切断し,眼をえぐり取り,聾啞にして,厠中に捨てた。便所にはブタを飼うのにちなんで人彘(じんてい)と号した。これを見た恵帝は発病し,淫楽にふけって朝政を顧みなくなった。…

※「人彘」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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