人生相渉論争(読み)じんせいそうしょうろんそう

世界大百科事典(旧版)内の人生相渉論争の言及

【北村透谷】より

…また,93年《文学界》創刊。その誌上に発表された《人生に相渉るとは何の謂ぞ》から《内部生命論》にいたる,山路愛山との〈人生相渉論争〉は,日本近代文学の根本にかかわる重要な論争であった。彼は日本平和会機関誌《平和》の編集にも当たった。…

【キリスト教文学】より

…ただ宗教的リゴリズムをもって文芸の毒をきびしく批判した内村に対し,植村はむしろこれを宗教的・精神的啓蒙の具としたところに,民友社の蘇峰や愛山らにもつながる功利的文学観が見られる。これと相対立したのが《文学界》一派,特に北村透谷であり,愛山との間に文学の〈人生に相渉るとは何の謂ぞ〉という問題をめぐっていわゆる〈人生相渉論争〉が展開するが,その応酬のなかで透谷は文学の自律を説き,《内部生命論》(1893)を著した。 ここにも明らかなごとく明治20年代より盛んとなった自由主義神学,さらにはユニテリアンの思想は透谷をはじめ島崎藤村,国木田独歩らにも深い影響を与え,日本の土着の心性ともからんで一種の汎神論的思想や運命論的諦観へと彼らを傾斜させた。…

【山路愛山】より

…【土肥 昭夫】 貧しい生活の中で《西国立志編》に感銘を受け,早くから独学自活の道を歩んだ愛山の文筆家としての活動は,徳富蘇峰の勧めで入った民友社時代から本格化した。入社の翌年(1893)には,北村透谷との間の有名な〈人生相渉(そうしよう)論争〉が開始されている。これは,愛山が《頼襄を論ず》(《国民之友》)で,〈文章即ち事業なり。…

※「人生相渉論争」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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