世界大百科事典(旧版)内の仮とじ本の言及
【装丁(装幀)】より
… しかし,版元製本,機械製本を早い時期に取り入れて一般化したのは,主としてイギリスとドイツであって,他のヨーロッパの国々,とくにフランスでは,ごく最近まで版元製本は一般的なことにならなかった。薄い一枚続きの紙で中身をくるんだだけの〈仮とじ本〉を買い,アンカットのページを自分で切り開きながら読み,読み終わったものを蔵書として個人的に革装本に仕立てさせるという習慣は,20世紀に入っても続いていたし,現在でも文学書の多くは仮とじ本のまま売られている。中身の2倍よりずっと大きい紙の天地左右をなかに折りこみ,細くチリが出るようにして表紙にしたものを〈フランス装〉と呼ぶのは,これがフランスの仮とじ本の形の一つとして用いられているからである。…
※「仮とじ本」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」