世界大百科事典(旧版)内の供養具の言及
【仏教美術】より
…この系列の美術に羅漢像や祖師像などの肖像や,僧侶自身の墨跡がある。また僧によって仏事を営むための仏具,供養具,梵音具,芸能具も多岐にわたり,僧侶の生活用具も重視された。インドでは僧の生活する僧院と,礼拝供養の対象である仏塔とは別々に発生し,やがて両者は結びついて伽藍(がらん)となり,前者は僧房,講堂,経蔵,鐘楼,後者は塔,金堂となって寺院を形成する。…
【密教法具】より
…密教法具は当初,最澄,空海,常暁,円行,円仁,恵運,円珍,宗叡の入唐八家によって請来されたが,おのおのに若干の異同があって整合性を欠く。この時代のものを大別すると金剛杵(こんごうしよ)と金剛鈴(こんごうれい)が主流をなし,異種に独鈷(どつこ)杵の端に宝珠をつけた金錍(こんべい)があり,そのほか輪宝(りんぼう),羯磨(かつま),四橛(しけつ),盤子(ばんし)(金剛盤),閼伽盞(あかさん),護摩(ごま)炉,護摩杓などがあるが,供養具まで完備するには至っていない。やがて,壇上に火舎(かしや)(香炉)を中心に六器(ろつき),花瓶(けびよう),飯食器(おんじきき)などをそろえた一面器,さらに四面器を配するなど,密法法具の整備拡充が進む。…
※「供養具」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」